私は動画編集にPower Directorを利用している。なぜなら値段がそこそこで、けっこう機能が豊富だから。プロはAdobeを使うのかもしれないが、一般ユーザとしては、Power Director(以下PD)でいいかなと言う感じ。
使い出したときは、PD13だったか。新機能とかあまり使わないので、PD15を2017頃に購入しずっと使ってきたのだが、そろそろ新機能もおもしろそうなので、2023後半にリリースされたPD2024を購入した。サブスクはイヤなのでメディア付きの買い切り版を買ったんだけど、なんか使うのが面倒でずっと放置してました。
ココにきて、北海道ツーリング2024の動画を作成する気になったので、PD2024を使いだした。製品としては既に2025版がリリースされているので、1年遅れで利用を始めたわけだ。
で、使いだしての第一印象。
「なんじゃこりゃ!?」
PDはイイ意味で上位互換を保っていたと思うのが、今回は新機能の追加のみならず、画面構成の変更や、操作系の変更を大きくかましてきた。これは既存ユーザには、かなりインパクトの強い変更となってと思う。
まぁ、使いやすくなってれば変更もいいと思うのだが、使いにくくなってるような。
そして、数々のバグと思われる事象。まぁ、バグと決まったわけではないと思うが、いや、たぶんバグだろう。PDは元々潜在的なバグをいくつも抱えていたと思うが、今回はひどかった。
普通に使ってて、不具合のオンパレードです。
あまりの不具合に、さすがにブチ切れて、その時点でわかってる不具合をサポートへ問合せてみた。現在わかってる私の不具合は後でまとめたいと思うが、サポートの回答は、次の通りだった。
1)他のユーザから上がっていない事象(あなただけ)
2)問合せの一部は、仕様であり将来の改善点として考える(仕様だし)
3)対策としてPDおよびVisual Cのアンインストールと再インストール(定番)
まぁ、そう言うかな、と思っていたがそうだった。とりあえず再インストールをやってみることにしたが、できれば一発でうまくいくようにしたいと考えて、次の手順でやってみることにした。もちろん、事前にバックアップを取ったりしたので、時間がかかった。
1)古いアプリの徹底した削除
サポートからのアドバイスもあったので、次のようにしました。
・PD2024のアンインストール
・指示のあったフォルダの削除(古い設定等がある)
・PD15のアンインストール
・関連するオプション(NewBlue等)のアンインストール
・他、VusialC等のライブラリのアンインストール
ちょっと懸念したのだが、作成したタイトル雛形等のカスタマイズデータは残っていました。
2)PD2024の再インストール
サポートから指示のあった、メディア媒体ではなく、ダウンロードした元ファイルから再インストール。
ライセンスコードは、こちらの手持ちのモノを利用。
加えてPDの最新パッチを適用した。
3)再インストールの結果
結果として、再インストールで解決されたのは、数件だけで後は、継続的に発生しました。
それでは現在私が直面しているPower Director2024の問題について、列挙しておきます。
1.PC環境:
CPU:Core I9(11th) Memory:64GB, M.2SSD(C:ドライブ)
Windows10(最新パッチ適用)
GPU:RTX3050
最新機種ではないが、動画編集に遜色ないスペックと思います。
2.不具合の一覧:
01)メディアクリップのサムネ画像が他のに変わる
一番最初に出くわした記念すべき不具合。PDに取り込んだメディア(動画や写真、音楽)等のサムネ画像が表示されているが、これが別のモノに変わってしまう。
変わってしまった画像は、
・他のクリップ画像
・エフェクトやトランジションの画像
など、いろいろなモノに変わってしまう。上記のスクリーンショットでは、黄色の枠内は、メディアクリップなんだけど、エフェクトか何かの画像になっている。
最初はメディア一覧の中の事象だったが、そのうち、タイムラインの画像まで変わってしまう事象も発生。なんじゃこりゃ?的な現象。

このスクショはひどくて、メディアワクの中は、写真や動画の所に、タイトルやトランジションの画像になってる。そして、タイムラインのトラックの写真も、エフェクトか何かの画像になってる。こりゃひどいね。
トリガーはハッキリしないが、別の写真管理アプリから動画クリップをドラッグしてくる作業を何度もやってると出やすいようだ。他にもいらないクリップを削除しているとき発生したこともある。同様の操作は、PD15でずっとやってきたが、こんな不具合は出たことがない。
一度、発生すると、その場では直すことが出来ないのが、PDの再起動で治る。
頻度・再現性はけっこうあって、2~3時間程度編集作業をしていると、発生する事が多い。
けっこうな頻度で出るので、これが事象として認識されてないのは、ちょっと信じられないのだが、本当かな。
02)クリップの吸着
不具合としてカウントするか微妙だったが、載せておきます。メディアクリップを移動して、タイムラインへ配置されたメディアにくっつけていくと思うが、これがうまく吸着されない。微妙に前のクリップに重なってしまうのか、「上書き?挿入?」とか聞かれてしまう。
あまりに出るのでイライラする。
もちろん、「タイムラインのクリップの位置合わせ」の設定はチェック済。
ただ、これは長く使って慣れてくると、緩和されたと思う。
コツは、タイムラインの後方から持っていくよりも、前方からもっていくと、うまく吸着してくれるようだ。後方から持っていく場合は、くっつけたい位置の少し手前でマウスをとめると、うまくくっついてくれる。
おそらくだが、この吸着になるためのマウス位置などの判定条件が古いバージョンから変わってしまったのかもしれない。不具合というには、あんまりかもしれないが、使いかってというのは大事にしてほしいところ。
03)MP3ファイルの音声波形が正しくない。
これは古いPDでもあったと思うが、MP3ファイルのタイムラインで表示される波形が正しくない。音楽はまだあるのに、波形がゼロになってしまったりする。特定の音楽ファイルによって発生するので、音楽ファイル依存だと思うが、何とかしてほしいもんです。
04)プレビュー時に音がズレる
トラック1にメインの動画クリップ、トラック2に効果音、トラック5に音楽等の場合に、トラック2に置いた効果音がプレビュー時にわずかに早く再生されることがある。
先頭からプレビューすると音がズレるが、効果音の直前からプレビューを開始すると、正しいタイミングで再生される。
この事象は再インストールで改善されたようで今のところ発生していない
と思っていたのだが、発生した。ウインドノイズ除去の練習動画を作成中、最後に付けた効果音が若干早く再生された。効果音の直前からプレビュー再生すると正しいタイミングで再生される。出力された動画には問題がないのでプレビューの問題なんだろう。
出力動画には影響は無いとはいえ、プレビューで確認中に音がズレると編集ミスかと思って確認をすることになるので、作業効率に影響する。こんなのは、直してほしいものだ。
事象が発生したあと、動画を出力して、編集画面に戻って再度再生したら、事象が発生しなくなった。う~む。なんだかわからん。
05)スケッチデザイナーで丸印の移動
スケッチ機能を使って丸印を描くアニメーションを利用したときに、丸印を移動すると、移動前の丸印が残っている。これは、90%ぐらいで発生する。まれに移動元が消えてるケースもあった。

この画像は、スケッチの丸印を移動した後。移動先の丸印は、+字があるほう。移動元が画面に残ってる。
06)スケッチのアニメーションが再生されない
スケッチで丸印のアニメ動作を確認するためにプレビュー再生するが、アニメーションが行われない。まぁまぁ発生する。
07)モーションスタイルのランダム適用時の対処
写真に動きを付けるモーションスタイル、PD2024では、「パン&ズーム」と言われるようになったが、これの操作でちょっと気になるものがある。
「拡大」や「縮小」などを選択後にユーザ定義を見ると、適用された「拡大」「縮小」を修正できる。
ところが、「ランダム」を選択後にユーザ定義を見ても何も適用されていないので、修正することが出来ない。ゼロから作成する必要がある。
私は、ランダムを適用後に気に入らいなければ、調整する使い方が多かったので、「ランダム」→「ユーザ定義」をよく使っていたのだが、できなくなってしまった。仕様と言われれば、それまでだが、PD15では出来てたことなんで、できるようにしてほしいです。
08)モーションスタイルの複数適用
複数の写真にモーションスタイルを一括で適用することが出来ない。写真を1枚づつ適用する必要がある。仕様であることはわかるが、こういう操作を一括できるような操作性の向上を望む。
09)動作安定性
長時間(3~4時間)程度、編集作業を行っていると、レスポンスが悪くなる。具体的には次の通り。
・ビデオクリップをクリックして選択済になるまで遅い
・何か変更を加えたあとの画面再描画が遅い
・何か編集操作を行ってから完了するまで遅い
・クリップの移動、トリミング等が操作をしてから完了するまで遅い
すごく遅いというわけではなく、ワンテンポ遅い(0.5秒程度)です。PDは、元々、軽快な操作性がウリだったと思うのだが、このモッサリ感はいただけない。
タスクマネージャで確認すると、PDの利用メモリは、起動時が1~1.5Gぐらいだが、モッサリしてくるのは、4Gを超えたあたり。
必要ならメモリを使ってもらうのはかまわないが、だんだんレスポンスが悪くなってくることから推測するに、メモリリークなどが疑われると思う。
ソフトウェアとしての品質管理をもっと徹底してもらいたい所です。
10)クリップの長さ調整(長くする)
複数のクリップがトランジションで繋がってる場合に、後ろ側のクリップを前方に延ばす(延ばす余裕がある場合)と、前の動画クリップの先頭までしか延ばせない。
トランジションで繋がってなければ、前の動画クリップを越えて延ばすことができる。ま、仕様の漏れだろうね。こんなこと、する人もいないのかな。
11)プロジェクトの挿入
プロジェクトの挿入という機能があり、タイムラインに別のプロジェクトを挿入することができる。
これをやると、途端に動作が不安定になった。
・保存に失敗
・動作が遅い
・挿入したプロジェクトの編集をしようとすると、切り替えにかなり待たされる
・挿入したプロジェクトから画像やタイトルをコピーして、挿入元の動画にペーストすると長さが長くなる。
などなど。なんじゃこりゃ?という状況だったが、これは再インストールで解消された。まぁ、プロジェクトの切り替えに若干時間はかかるけど、許容範囲です。ただ、データのコピペで、長さが長くなる事象は、治ったり、治らなかったり。
12)シャドウファイル
不具合かどうかわからないが、フルHDの動画クリップではシャドウファイルが作成されない。設定は入っている。
元動画クリップが4Kだと作成される。これが仕様なのかどうか不明。ネットで調べた範囲では、PC性能でシャドウファイルの作成有無が決定されるような情報もあったので、そういう仕様なのか。ならば、どこかに書いておいてほしいのだが。PD15では常に作成されていたと思う。まだ、残っていたし。
13)ミュート
動画クリップのミュート作業が、一つのクリップ毎にしか出来ない。複数の動画クリップを選択して、一気にミュートができないわけだ。一個づつやればいいんだけど、めんどい。
まぁ、仕様なんだろうけど、こういう所の使いかっては向上させて欲しいものです。
14)タイトルのコピペ失敗
配置したタイトルを、コピー&ペーストして流用する場合に、まれに、ペーストしたタイトルに文字列が入ってないケースがある。
手順:
・タイトルをコピーする
・ペーストすると、プレビュー画面上は文字列が無い空のワクのみ
・何度ペーストしても、空のまま
・タイトルの詳細画面でも文字列は無い。
トラック上のタイトルオブジェクトにマウスオーバーすると文字列はあることになっている
・コピー&ペーストやり直すと治る
つまるところ、コピーが不完全なんだろう。なんとも珍しいバグだと思う。
15)カラーボードの時間変更
カラーボードを空きトラックへ配置し、時計マークを押して時間を短く入力して反映すると、別トラックの動画クリップが影響を受けて動いてしまう。これは予想外の展開。しかし、時間を長くする分には、他のトラックは影響を受けないようだ。
カラーボードの端をつかんで長さをマウスで短くする分には、この不具合は出ない。まぁ、バグなんだろう。
時計アイコンによる時間の調節時の仕様の漏れ?開発の勘違い?
16)カラー調整で分割比較が解除されない
カラーの調整等、分割比較を設定し、その後、分割比較を解除しても、画面上は分割比較のままのケースが、稀に発生する。
PDを再起動すれば治る。動作不安定な一例だろうね。
17)フェードの逆再生
動画クリップの最後にトランジションのフェードを配置して、徐々に暗くなってく効果を反映している場合に、稀にフェードが逆再生される場合がある。具体的には、フェードの開始時に真っ暗になり、徐々に動画が映る、まさに開始時のフェードになっている。
この現象は、PD15でも稀に発生していたので、PDの潜在的なバグだろうな。
18)ウインドノイズ除去
これはショックだったんだけど、ウインドノイズ除去にNVIDIAのBROADCAST機能を使うというのが、PD20~PD21あたりであったらしいのだが、2024では無くなってしまったようだ。
ネットで情報を得て、RTX3050を買ってしまったのだが、メニューに無い。他のノイズ除去ではNVIDIA BORADCASTを使う項目があるので、ウインドノイズ除去から削除されたようだ。なんでだ~~!
19)Audio Directorとの連携
音声をAudio Directorに転送し、AD側でウインドノイズ除去したあと、PDへ復帰すると、音声部が映像部にくらべて、少し短くなる。なんじゃ、こりゃ!?
『最後に』
今のところは、このぐらいです。これらのうち、1)~14)まではサポートへ連絡しています。でも、2週間たっても返信ナシ。結果が出たら、またブログ内で報告したいと思います。
使い込めば使い込むほど、不具合に直面する。ネットで検索してもバグの多さに驚愕するユーザが多数。日本だけじゃなくて、広く海外のユーザも同じような「嘆き」のコメントが多数あった。
最高のPDは、PD21だ、なんてコメントもあったな。
一番ひどいのは、2023/12頃のアップデートで、プレビュー画面にマウスオーバーすると、クラッシュするという。必ずクラッシュするので動画作成ができないって話があったな。その後のアップデートで改善されたようだが。これは、サブスク版だったかもしれないが。
PD2024の最新パッチは、
2024/2/25 ビルド2517
で、かなり古い。
本来なら不具合の修正で1~2カ月に一回ぐらいアップデートしてもイイと思うが、やってないところから察するに、
「あきらめた」
という気がするよね。あまりの不具合の多さを開発側も認識しているが、2025のリリースが2024/9月に予定される中で、
2024の改善 or 2025の開発
を天秤にかけた結果、不具合修正も含めて2025開発に専念するという選択に出たかもしれない。これは想像だけど。(笑)
それならそれで、それを正直にユーザに報告し、2024のユーザには、2025を70%オフで提供する、等の処置に出ればいいのにね。
ま、これらのバグが2025で改善されているのかはわからないが。
あとは、サブスク版の365だと解決されているのかな。でも、365だとパッチをリリースして、メディア版を利用しているユーザには提供しないってのは、金を払ってるユーザ軽視だよねぇ。せめて1年ぐらいは面倒みなよと思うわ。
Power Directorは価格はそこそこで機能は豊富。あと、私の環境では滅多にクラッシュしないので気に入って長年使っている。CyberLinkには是非とも頑張ってほしいところです。
ちなみに、
Power Director 21 2022年リリース 最新パッチは、2024/1
Power Director 2024 2023年リリース 最新パッチは、2024/2
なので、2年ぐらいは面倒みるのかな。だとすると、そろそろ出るか?
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