NTT Docomoに2in1というサービスがある。これは基本契約で得られるAナンバー+Aアドレス(メール)とは別にBナンバー+Bアドレスが得られ、音声やメールを別々に発信、着信ができるというサービスである。Docomoの宣伝では、
「2つのケータイを一つに!」
なんて紹介されているサービスである。
ちょっとワケあって、2in1が欲しかったので、契約してきた。今回は、Docomoの2in1を使ってみた感想をレポートをしよう。
1)契約まで
契約は、Docomo Shop(DS)で行なう。オンライン申込みは出来ない。ヨドバシなどの代理店で出来るのかはわからないが、私は近所の駅前のDSでやってみた。2in1を契約したいと言うと、カタログを見せられて、機能の紹介、制約事項、料金プランの説明を受け、契約となった。契約後は即日利用可能となる。
契約に要した時間は30~40分ぐらいだろうか。けっこうかかるというのが印象。私の場合、家族割引を使っていたのだが、その場合、「主番号」か「従属番号」かで扱いがかわるとかいう話で、その確認で時間がかかった。なんで家族割引が影響するのか全然わからないが、とにかく時間がかかったのは確かだ。
また、契約前の注意事項の紙にサインを要求されるので、
「じっくり読んで内容の確認のため、質問をした」
というのもある。まぁ、DSにとってはイヤな客かもしれない。
2)動作を開始する
動作開始は、簡単だ。P705のメニューから「サービス」>「2In1]で開始することができる。契約前は、「利用できません」となったが、契約後はすぐに2in1が利用できた。あたりまえか。

3)着信を試す。
Bナンバーは、3つの候補を出され、その中から選ぶことになる。300円払えば、
「下4ケタを希望ナンバーにできる」
というのもあったが、特にこだわりもないので、何でもいい。
さっそく別の電話からBナンバーに電話する。おぉ、ちゃんとかかるじゃないか!
4)電話発着信のモードを試す
2in1には、Aモード、Bモード、ディアルモードの三つがある。それぞれAナンバー専用、Bナンバー専用、両方使えると思ったりするが、実際は違う。

Aモードとは、Aモード用の電話帳が参照可能。発信はAナンバーのみ。着信はAナンバー、Bナンバーのどちらでも可能。
Bモードとは、その逆だ。Bナンバーで発信するが、着信は両方で出来る。電話帳はBナンバー用
ディアルモードは、電話帳は両方。発信時に、A/Bのどちらで発信するか選べる。着信はどちらも可能。
尚、I-ModeはAナンバーとして利用することになる。BモードでもI ModeはAナンバーで利用することになる。要するに2in1とは、「音声発信が選べるだけ」のサービスというのが本当だ。
5)メールを試す。
Aナンバーは通常のケータイメールだ。Bナンバーは、DSのオネェさんからは、「WEBメールしか利用できません」と言われるしDocomoのカタログでもそういう記述があるが、これは正しくはない。
実際には、メールの受信は、A/Bナンバー共にケータイメールとして飛んでくる。Bアドレスは、メールの送信ができないだけだ。Bアドレスでのメール送信はWEBメールしか無い。実際、Bアドレス向けに100行程度のメールを送信してみたが、メール全部がケータイメールとして配信されてきた。
Bアドレスに来たメールは、「B」という文字がメールタイトルに挿入されている。WEBメールにアクセスすれば、受信メールも閲覧できるし、そこで返信したり、新規メールを発信することもできる。
WEBメールだから、i Modeで接続することになるが、その時のパケ代は課金されるので注意が必要だ。
6)電話帳を試す
電話帳は、モード毎で表示される内容が違うが、これは、
「一つのケータイに2種類の電話帳が格納される」
わけではない。実際には電話帳は、一個だ。一個の電話帳だが、一件づつに、A用、B用、両様が指定できることになる。初期値はA用のみだ。だからBモードに切替えると、電話帳は0件になる。
電話帳の設定を変更する必要がある。Docomo公開の無料ツールでも、電話帳にA、Bの設定は可能だ。でも複数選択しての一括変更ができないので、使いにくい。
携帯本体の方が、複数選択して一括変更ができるのでこっちの方が便利だと思う。

7)着信を試す
モードは何でもいいが、着信した場合に、
「どっちの番号宛にかかってきた電話か?」
は画面では識別できない。「Aナンバーで着信中」とかで表示されればいいが、それはない。
着信中の識別は、電話帳、又は着メロで識別するようだ。A電話帳に登録された人からの電話であれば、Aナンバーの着信には「氏名」が表示されるが、Bナンバー着信の時には表示されない。
また、着メロはA/B別々に設定できる。着歴は、Bナンバー着信は、Bと表示される。
電話帳の1件づつの登録状況は記憶できないと思うので、着メロで識別するしかないかも。
これ、なんか中途ハンパな気がする。
8)Bモードを停止したい。
モード切替えをしても、A/Bの両ナンバーで着信できる。でも逆にBナンバーで着信は拒否したいという状況はあるだろう。そのために、「着信回避設定」が可能だ。これにより、A/Bを選択して着信回避ができる。

回避設定された番号に電話すると、
「おかけになった電話番号は、電波の届かない~~」
のアナウンスが流れる。
9)海外での利用
実際に海外で使ったわけじゃないが、DSのオネェさんに色々聞いたので。
DSのオネェさんには、「海外では2in1は利用できません」と言われるが、これも正しくない。正確には次のようになる。
・海外でもA/Bナンバーの両方で着信できる。
・発信は、Aナンバーでしかできない。
そう、着信はできるのだ。だから、電話を受けるという事では不都合はない。ただし、料金はAナンバーで課金される。
もともと、2In1は、Aナンバー、Bナンバーで料金請求を別々にできるハズだが、このあたりの融通はきかない。
9)料金プラン
いつも思うのだが、Docomoのカタログを見ても、今ひとつ料金プランが理解できない。
「要するにいくらはらうの?」
が書いてないから。
2in1は、Aナンバーの基本プランとは別に、最低840円の基本料金がかかる。要するに月額840円は最低払う必要があるわけだ。後はBナンバーでかけた分が更に課金されることになる。
またBナンバーの料金プランは、タイプSS、タイプS~という風に無料通話時間を含むお得プランが選択できる。さらに2年しばりの「一人でも割」も選択可能だ。
私は「お試し」の意味もあるので、840円プランにした。
10)総合
この2in1は、
「2つのケータイを一つに!」
と言ってるわけだが、実際には、そうではないというのが印象。
1+1=2
ではなくて、
1+1=1.4 (ひいき目)
だと思う。でも、2in1は契約者名義を別々にすることもできるし、請求先も別にすることもできる。個人と企業の両方で使う場合も想定しているそうだから。実際にDocomoは、Bナンバーの契約を、「新規契約」としてカウントしたいと思っていたが、お役所から、「ダメ」と言われた経緯があるぐらいだから。
ところが実際にはかなり制約が多い。
使えば使うほど、わかるのだが、これはあくまでも、
「Aナンバーに、サブとなるBナンバーを追加した機能」
であり、もともと1台の携帯電話であることは変らないと思う。2台を一つにしたのではない。1台に2つのナンバーを用意しただけだ。
これを新規契約としてカウントするのは無理があると思うので、総務省の指摘は正しいと思ったり。
11)DSのオネェさんの対応
Docomo Shopの対応は、けっこう悪名高しということが多いが、私は「そんなにひどくはないか」とも思える。ただし、かなりマゴついたし、私の質問に答えられないなど色々あったが、ちゃんと調べてくれたりして、「一生懸命」やってる印象があったから。
しかしまぁ、一人の客の840円の契約に30~40分かけてるわけだから、DSの対応コストは赤字だろうねぇ。その分、基本料金やサービスで回収してると思うのだが。
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